メイドが執事に恋をする

あと5分!
ダッシュしようとした瞬間に

「高田さん。」

聞きなれた声に呼び止められた。



「はっ、はい!」

反射的に返事して後ろを振り向くとそこには静江さんが立っていた。



何もこんなタイミングで話しかけなくても!
何か怒られることしたっけ!?








「あなた桜井君にお掃除を徹底指導お願いしたんですってね。」

「へっ!?
あっ、はぁ…そうですねえ。」

そういえば話付けるとか言ってたな。

ってかいつの間にかあたしが頼んだことになってるじゃん!
お願いなんてしてないのに…。






そんなあたしを余所にガシッと両手を掴んで静江さんはニコニコしながら話し出した。


「素晴らしいです!
その姿勢にわたくし感動しました!
是非しっかりと桜井君にご指導して頂いてお勉強してくださいね!」


両手を握り締めてあたしを期待に満ちた目で見てくる。

こんな嬉しそうな静江さん初めてみたよ。



ううぅ。
頑張りますとしか言えないじゃん。



くそ~。
桜井のやつめ!


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