メイドが執事に恋をする



そのまま沈黙が続く。

何を言ってもうまくいかない気がして何も言えない。

ただ柔らかい手とすぐ側にいる高田の存在に益々動揺する。

甘い香りに。

俺はどうしたいんだ。





「いや、何でもない。
部屋に戻って休め。」


このままでいるとおかしくなりそうでとにかく高田から離れた。



それから高田は俺の方を見ることもなく


「失礼しました。」

と深く頭を下げて出て行った。



「はぁぁぁぁ。」


ため息が出る。


なんなんだよ俺。

何を動揺してるんだ。

俺ってこんなに情けない奴だったっけ。


ベッドに座って頭を抱える。


溜め息しかでない。




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