メイドが執事に恋をする
遠くなる2人の背中を見送って小さく溜め息を付いた。
携帯を取り出して電話をかける。
「…あぁ、俺。
悪いけど今日…頼む。
いや、ああ。
…また聞かせてくれ。
じゃあ。」
そういって電話を切る。
携帯を仕舞うと執務室に向かう。
泣いていると聞いてから
ずっとアイツの顔が
頭をチラつく。
それを払いながら仕事に向かう。
今は何も出来ない。
今会いに行ったところで掛ける言葉がでてこないんだ。
自分自身がこんなに情けない奴だとは思わなかった。
執務室に着いた俺は
ただ仕事に没頭することにした。