メイドが執事に恋をする
外に出ると桜井さんはあたしを見ることなく静かに煙を吐く。
何か。
何か話さなくちゃいけない。
でもまた冷たい瞳で見られたらと思うと怖くなって。
何も言葉に出来なくてただ呆然と立ち尽くしてしまった。
もうどうしていいのかわからなくて、
ただ苦しくて、
訳も分からず泣いてしまいそうになる。
そんな中先に言葉を発したのは桜井さんだった。
「くっくっ。
お前何そんなガチガチに緊急してんだよ。
もうちょっと力抜けよ。」
何か冷たい言葉をかけられるのかと思いきや…
桜井さん、笑ってるよ。
優しく笑う桜井さんを見ると急に力が抜けていく。
ペタリとその場に座りこんでしまった。