メイドが執事に恋をする
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どの位泣いていたのか気付いたらすっかり日が登っていた。
泣いてる間ずっと抱きしめてくれていた桜井さんの腕からそっと離れる。
顔を上げれば桜井さんが意地悪な顔をしてあたしの顔を覗き込んできた。
「お前、すごい顔してるぞ。」
「えっ!!」
意地悪な笑いを浮かべてケラケラと笑う。
「泣きすぎだろ?
目、パンパンだぞ。
ひっでぇ顔。」
言ってる言葉はなかなか酷いことを言われているのに、
そう言いながらも優しいなんだか切ない笑顔に変わる。
胸がキュンとなる。
「どうすんだ、これ。」
そう言いながらあたしのまぶたにそっと触れた。
あまりにも自然に触れられたから…
あたしもそっと目を閉じた。