メイドが執事に恋をする

最悪な始まり☆雪菜


初めてこのお屋敷に来たのは今年春。
家事全般しか得意なものはなくて。
専門学校を卒業と同時に先生の紹介でこの矢田部(ヤタベ)の家に住み込みで就職した。
矢田部のお屋敷は古くからある財閥のお家らしい。

あたしはここに来るまで知らなかったけど。


本当に大きな洋館のお屋敷で初めて来た時は目眩がした。
門からお屋敷までだけでもめちゃくちゃ遠い。
もちろん中も広い。
最初は庶民のあたしにはお屋敷が迷路のように感じた。



「高田さん。
今日はシーツをお願いします。」

「はい。
かしこまりました!」


と静江さん。
お洗濯場に向かって歩く。



あたしは高田雪菜(タカダユキナ)
このお屋敷で働いて半年。
まだ見習いみたいなもんだけど。
でも仕事は楽しい!
働いてるのもみんな良い人たちだし!


静江(シズエ)さんてのはメイドの教育係。
古くからずっと矢田部のお家が好きで働いてるんだって。
怒るとめちゃくちゃ怖いけど。
でも凄くいい人なんだ。






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