メイドが執事に恋をする






「さ、桜井さん!?」

驚きと動揺でカラダが固まってしまった。








桜井さんは一度ぎゅっと強く熱のある体であたしを抱き締めると





「いちいち熱ぐらいで騒ぐな。
大丈夫だから。




…電話もしなくていい。
騒ぎになると面倒だからな。
お前はもう部屋に戻ってろ。」


悪かったな。
と言って体を離した。



パニックなあたしはとにかく首を縦に振った。


そんなあたしを見て
小さく笑うと自分でゆっくりと進み出した。






それから少しおぼつかない足取りでそのまま部屋を出て行った。






電話すんなって。
いやいや、あの熱はヤバいでしょう!?


とにかく医務室くらいには電話しとこ。







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