恋人は心の中に
「その世界に行けばまたおじいさんと会えるだからなんも悲しくないじゃろ」
小原さんはほほ笑みながらそう言った。

「はいありがとうございます」
私を励ましてくれたんだ。

「ところで北さんお昼散歩したいんじゃが車椅子押してくれんかの」

「はいよろこんで」

初めて名前を呼んでくれた。
私は嬉しくて飛び上がりそうになった。
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