Dear...
それから、毎日遊んだ。

ママゴトしたり鬼ごっこしたり。

時には、知子の父が二人を遊園地などに連れて行った。

『おまじない』で痛みを無くした。

自分の持っている物を、惜し気も無く誰かに差し出す。

知子の父は、直人の優しさを見ていた。

二人は、お互いの家を往き来した。

家族ぐるみの付き合いが始まる。

小学校入学。

二人は、同じクラス。

偶然にも席は隣同士になった。

手を繋ぎ通った小学校。

小学校4年になった時だった。

引っ込み思案な直人が少しずつ変わって来た。

「お父さん。野球したいんだけど…。」

自分から、やりたい事など言った事が無かった直人に父は喜んだ。

「良いヤツは買ってやれないが…。」

そう言って、バットとグローブ。ボールを買って上げた。

毎日、壁にボールをぶつけて遊んでいた。

それを家から見ていた知子が父に言った。

「私もしたい…。」
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