男ごころのうた シーズン1
翻(ひるがえ)るスカート
悲しみと
よろこびだけを
切り取りたい
きみのスカートが翻った時、確かにぼくという世界は躍動していた
ずうっと遠い昔の出来事なのに
あの瞬間ほど感情がはじけとんだことはなかった
ぼくはやがて動きを止める
すべての感情を通過してきたからこそ、
ようやくそれを語ることができた
ぼくの中で今でも動きをもっているものは
やはりあの「ひとひら」だった
固まってしまった時間の中から
あの一瞬だけは光り輝いていて
重みのない世界を体感させてくれるんだ
熱帯夜のような
ぼくの体に