ダチュラな私。
すると爽吾君は驚くほどの行動力でこのお食事会をセッティングしてくれた。
私と一成はともかく、怒っている聖羅を説得するのは大変だったろう。
だけどそこは幼なじみのなせる技なのか、聖羅は不機嫌ながらも時間通りに集合場所へとやってきた。
「いいよ。私はもう気にしてないから」
偽りではなく本心からそう微笑む。
その微笑みに少し安心したのか、爽吾君の表情からふっと力が抜けていく。
陰っていたグレーの瞳にもほんの少しだけ、光が戻ったような気がした。
「私は気にしてるから。
ねえ、アンタは謝る気ないわけ?」
でも、その表情は一分ももたず。聖羅のその言葉に、爽吾君の表情にまた緊張が走った。
恐る恐る横目で聖羅を見ると、その視線は私でも爽吾君でもなく。
無愛想に座っている一成へと、真っ直ぐに向けられていた。