ダチュラな私。
誰が見ても睨んでいると表現するだろう鋭い視線。
激昂するでも怒鳴るわけでもないその姿は落ち着いている反面、なにかきっかけがあれば殴り掛かってしまいそうな雰囲気があった。
一成は一成で睨んでいるつもりなどないのだろうけれど、とにかく目つきが悪すぎる。
そんな不穏な空気が漂う二人に、私と爽吾君は口を挟めるわけもなく。
息を潜めながら何が起きても対処出来るように、気を張ることしか出来なかった。
そして、数秒の沈黙の後。
「……ごめん。俺が悪かったよ。
アンタも悪かったな。嫌な思いさせて」
一成の謝罪の言葉に、気を張っていた私と爽吾君の肩から力が抜けていく。
聖羅はその素直な言葉に驚いたように、ほんの少しだけ目を大きくしたけれど、その驚きは一瞬で消え去っていった。