ダチュラな私。
ぴたりと足を止めた一成。
振り返ったその表情は大きな目がさらに大きくなっていて、驚きを表していた。
その表情は無愛想な一成をいつもより幼く見せていて、普段より幾分か柔らかい印象だ。
なんだか可愛らしいな、と考えながら一成を見ていると、一成はすたすたとこちらへ戻ってきた。
私と一成の距離が近付くにつれ、心臓の動きが少しずつ速くなっていく。
そんな私に全く気付いていない一成はすっかり元に戻ってしまったいつも通りの無愛想な表情で、さっきと同じ場所に寸分違わず立ち止まると。
「なんだ?」
と、不思議そうな声色で問い掛けてきた。
だけど……寂しいから呼び止めました、なんて素直に言えるのならば苦労はしない。
さきほどなんて比べものにならないほど速く動く心臓をなんとか静めながら。
私は嘘にならない言い訳を捻り出すために、必死に頭を働かせた。