ダチュラな私。
「あの、家で晩御飯食べていかない?」
約五秒の沈黙の後。
私が捻り出した嘘にならない言い訳は、最低レベルのものだった。
でも、今の心理状態ではこれが限界だった。
むしろよくやったと、自分を誉めてやりたいくらいだ。
しかし、やっぱり一成はこんな最低レベルの言い訳に納得していないらしい。
その証拠に訝し気な目付きで、私をジロジロと見ている。
だけどもう、後には引けない。
私は最低レベルの言い訳に真実味を持たせるため、息を吸い込んだ。
「ほら、こないだは私も迷惑かけちゃったし、二回も送ってもらっちゃったし、今日はご飯ご馳走になったし。だからお礼っていうわけじゃないんだけど……ね?」
一気に吐き出した言葉。
それは真実味を持たせるどころか、さらに言い訳っぽくなってしまった。
もう無茶苦茶だ。