ダチュラな私。
それにそんなに仲が良いわけでもないのに、ご飯に誘うってどうなんだろう?
外でご飯ならまだしも家でご飯だし、しかもご飯は私の手作りだ。
そういえば誰かから、家族とプロの料理人が作ったもの以外は食べられない人の話を聞いたことがある。
一成がそういう人だったらどうしよう。
嫌なら嫌と一成ならはっきり言ってくれると思うけれど、少しは言いにくいだろうし。
「いいのか?」
不安と自己嫌悪から泳がせていた私の視線は、その言葉によって一成へと向けられる。
内心ビクビクしながら一成と目を合わせると、本当にいいのかな、と私の様子を窺うように黒い瞳が光っていた。
どうやら“そういう人”ではなかったらしい一成にホッと息を吐きながら、私は苦笑に近い笑みを向けた。
「もちろん。
たいしたものは作れないけどね」
謙遜ではなく事実を言葉にした。