ダチュラな私。
オレンジがかった金色の髪に、左耳には赤いピアス。
そして黒いタンクトップに、ゆるい感じの黒いスウェットパンツ。
「龍斗(リュウト)ごめんね。今から作るからもうちょっとだけ我慢してて」
この、世間から見ればあまり真面目に見えない男は、間違いなく私の弟だった。
一成のほうを振り返って小さな声で弟なの、と先ほどの問いに対する返事をする。
すると一成は無言のまま私と龍斗を見比べながら、驚いたような表情を浮かべた。
まあ、それは仕方がないことだろう。
私と龍斗は全く似ていない。
龍斗は姉の私が言うのもなんだけど、とても整った顔立ちをしている。
身長だって私はどちらかと言えば小さいほうなのに、龍斗はまだ中一のくせに一七三センチもあるのだ。
そのおかげで私達はどこに行ってもカップルか兄と妹に間違われてしまう。