ダチュラな私。

まあそれを利用して、たまにカップル限定割引のケーキバイキングとか一緒に行ってるからいいんだけど。

私は小さいため息を吐き出しながら。

まだ驚いた表情をしている一成から、目の前に立つ龍斗を見た。


晩御飯、なにがいい?

そう聞くつもりだった私は結局、その言葉を口にすることが出来なかった。

一成に負けず劣らずの驚いた表情をしている龍斗に、私の動きは見事に停止してしまったから。


驚いている龍斗の視線の先には一成がいた。

何をそんなに驚いているんだろう?

一瞬そう考えて首を傾げたけれど、その疑問はすぐに解消された。


“あのこと”を龍斗に細かく話したことはないけれど、それでも何かがあって私が男の人を苦手なことは知っている。

だから龍斗は私が男の人を連れて来たことに驚いているんだ。
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