ダチュラな私。

「龍斗、この人は……」

「龍希(リュウキ)ー!!
姉ちゃんが男連れて来たぞー!!」

友達だよ、と説明しようとした私の声は龍斗の大声によって掻き消されてしまった。


大声が家中に響き渡った数秒後、家が壊れるんじゃないかと思うほど強くドアが開け閉めされる音がする。

その次にはまるで階段から転がり落ちてくるような音が聞こえてきた。


「おい龍斗!今のマジか!?」

家が壊れるんじゃないかと心配している私をよそに、二階からおりてきた龍希は龍斗にそう叫びながら詰め寄っていく。

龍斗はそんな龍希の体をおさえながら、右手で私と一成を指差した。


人に指を差してはいけないって小さいときに何度も注意したのに、どうやらそれはまだ身についていないらしい。

後でお説教しよう。

心の中でそう考えていると、目を大きく見開いている龍希と視線がぶつかった。
< 123 / 342 >

この作品をシェア

pagetop