ダチュラな私。
「なあ、一成君。
本当に姉ちゃんの彼氏じゃねえの?」
「姉ちゃんと一成君、けっこうお似合いだと思うけどな」
片付けを終えてキッチンからリビングに出ると、二人はまだそんなことを言っていた。
どうやらこの二人の辞書に“反省”という文字は存在していないらしい。
怒っているかな、と考えながら一成の隣に座るとその表情は意外にも楽しそうで。
首を傾げている私に気が付いたのか一成は双子が野菜炒めを食べている様子を見ながら小さな声で、子供は嫌いじゃない、と教えてくれた。
なるほど。そういえば一成にも弟がいるもんね。子供の扱いは慣れているんだな。
それに多分、一成の“嫌いじゃない”は“好き”って意味だと思う。
ゲームセンターでも、あのゲームのこと“嫌いじゃない”って言ってたから。
私は誰にもばれないように下を向いて、笑いをこらえた。