ダチュラな私。

心配してくれているんだな。

最初に感じたことはそれだった。

「ありがとう。
でも私と一成はそんな関係じゃないから」

だから素直にそう言って、勘違いしているらしいので事実を伝えた。


俺“達”ということは、どうやら龍斗も勘違いしているらしい。

二人とも、思い込みが激しいんだから。

龍希は何か言いたそうに何度か口を開きかけたけど、結局、口を閉ざして。


「まっ、俺達が言いたいことはそれだけだから。姉ちゃんも早く来いよ。ついでに飲み物もよろしく」

真面目な表情をいつもの悪戯っ子みたいな表情にかえると、明るくそう言ってリビングから出ていった。

私はその背中を見送ったあと、手に持っていた食器を運びながら。

思い込みは激しいけれど、どうやら真っ直ぐに成長しているらしい優しい弟達を思って、一人で微笑んだ。
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