ダチュラな私。
夏の始まり
狭くて暑い、木製の更衣室。
姿見なんて気の利いたものは置かれていないから、自分の目が届く範囲だけを細かくチェックした。
これでもし、背中のほうが変になっていたら……恥ずかし過ぎる。
「ねえ、着替え終わった?」
「う、うん。聖羅は?」
なんとか背中のほうを確認しようと体を無理矢理捻っていると、隣の更衣室で着替えている聖羅が壁をトントンと叩いてきた。
見られているはずもないのになんだか自分の行動がばれているような気がして、とても恥ずかしくなった。
「私も。じゃあいこっか」
「そうだね」
私が返事をすると同時に、隣の更衣室のドアが開く音がする。
どうやら聖羅は出る準備が万端だったらしい。私は慌てて荷物をまとめて、今にも外れそうなドアをゆっくりと開けた。