ダチュラな私。

ドアを開けると強い太陽の光が差し込んできて、反射的に目を閉じてしまった。

ゆっくり目を開いていくと最初に飛び込んできたものは、たくさんの人達。

その先に見えたものは……


たくさんの人達がプカプカと浮かんでいる海だった。


試験が終わってから約二週間。

なんとか試験をパスして夏休みに入った私達四人は、海に遊びに来た。

発案者はもちろん、聖羅と爽吾君だ。


私は順番を待っていたらしい女の人に小さく頭を下げて、日陰になっている更衣室の脇に立っていた聖羅に走り寄った。

「ごめんね。待たせちゃって」

ビーチサンダルに砂が入る感覚が少し不快だったけれど、それは仕方がないことなので我慢する。


いっそ裸足になろうかな。

足をバタバタさせながらそう考えていると、聖羅が私を驚いたように見つめていた。
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