ダチュラな私。
「ちょっと一成。邪魔だから座ってよ」
大きな荷物をレジャーシートに置いた聖羅は、すっかりいつもの調子に戻っていた。
一成はしぶしぶといった感じで体を起こし、聖羅が座れるように少し詰めて座りなおす。
聖羅は当然のように一成の隣に座り、私には聞こえないけれどなにか話し始めた。
この二人って……今までは気付かなかったけれど、端から見るとかなりお似合いだな。
聖羅も一成も性格はともかく、外見は高校生には見えないほど大人っぽい。
私は日焼けの心配なんかすっかり忘れてパラソルの中には入らず、二つ並んだ背中を見つめていた。
「花ちゃん。荷物かして」
「あっ、ありがとう」
そうしていた時間は長くはないだろう。
いつのまにか隣に立っていた爽吾君に驚いてしまった私は、いつもなら絶対に断るのに荷物を渡してしまった。