ダチュラな私。
夏休みに入ってからさらに明るくなった髪を、ピンで器用にアレンジしている爽吾君。
いつもは隠れているおでこが見えていて、その可愛い顔立ちが強調されている。
水着は綺麗なライムグリーンで、白いパイル地のパーカーを合わせていた。
本当に自分の魅力を知っている人だな。
そう感心しながら爽吾君とシートに座ろうとビーチサンダルを片方脱いだとき。
「爽吾!ここから走って先に海に入れなかったほうがジュースおごりねー!」
いつの間にか立ち上がっていたらしい聖羅が、仁王立ちをしながらニヤリと笑っていた。
一方的な賭け事を爽吾君に挑んだ後、爽吾君と同じくさらに明るくなった金髪を揺らしながら聖羅は海へと駆けていく。
「おい!ずるいぞ!ちくしょう!」
その賭け事にまんまと乗ってしまった爽吾君は、私の荷物を丁寧にシートの上に置き、白いパーカーを脱ぎ捨てると。
すごいスピードで聖羅を追いかけていった。