ダチュラな私。
黒い水着を着た一成は……すごく大人っぽくて、なんだか恥ずかしくて直視出来ない。
最初、水着はワンポイントも入っていない黒だと聞いて地味だと思っていたけれど。
それは全くの思い違いだったと、今、思い知らされた。
一成みたいな黙っていても人目を引くタイプは、地味な水着ですら目立ってしまうんだ。
「なんで顔赤くなってんの?」
どうすればいいのかわからなくてスカートの裾を触っていた私の視界に突然映り込んできたものは、間違いなく一成の足だった。
言い当てられた恥ずかしさで、さらに顔が熱くなっていく。
「違うもん!これは……」
とにかく弁解しようと、勢いよく上げた視線の先に映ったものは。
ニヤニヤと意地悪く笑う一成だった。
からかわれたんだ。
そのことにやっと気付いた私は何も言い返すことが出来ずに一成から視線を外した。