ダチュラな私。

自動販売機で飲み物は無事に調達出来たけれど、四本のペットボトルは意外と大荷物となってしまった。

ペットボトルだけならば手で持てるけれど、そうすると財布が持てなくなる。

なので私の選択肢は、両手で抱え込むことしか残っていなかった。


自動販売機の前でしゃがみ込んで、ペットボトルを落とさないように抱え込んでいく。

そして最後にペットボトルの上に財布を乗せたあと、ゆっくりと立ち上がった。


落とさないようにしなきゃ。

そう、目の前のことに集中していたのがいけなかったのだろう。


「こんにちはー!」

「ねえねえ、名前なんていうの?」

金色なのか茶色なのか、なんと表現すればいいのかわからない傷んだ髪。

よく日焼けした体に、にやけた顔。

立ち上がった私の隣には、全身で自分の軽さをアピールしているような男が二人、立っていた。
< 143 / 342 >

この作品をシェア

pagetop