ダチュラな私。
「ごめんなさい。友達と来てるんで」
にやけた男達にそう告げながら、距離をとるために一歩後ろへ下がる。
表面上は冷静を装っているけれど、内心はもうパニック状態だ。
お願いだから、早くどこかへ行って。女の子なら他にもたくさんいるでしょ。
そう考えながら足をもう一歩、後ろへと下げたとき。
「そんなこと言わないでよ。ちょっとくらい大丈夫でしょ?あっちで話そうよ」
私の態度が気に障ったのか、二人の表情がいらついたようなものへと変化した。
そして片方の男がそんなことを言いながら、私へと手を伸ばしてくる。
怖い。
その手と、男達の表情に抑えていたその感情が一気に溢れ出した。
だけど、男の手がもう少しで私の腕に触れそうになった瞬間。
後ろに気を配る余裕なんてなかった私は、誰かにぶつかってしまった。