ダチュラな私。
浮輪に掴まって引っ張られていく感覚は、一成には悪いけれどとても楽しい。
しかも泳がなくていいから、体力もそんなに使わない。
私にとっては最高の遊びだった。
しばらく海中を見つめていたけれど残念ながら、魚は見当たらなかった。
少し首が痛くなってきたので視線を上げると、聖羅と爽吾君の姿が小さく映る。
パラソルの下で何かをしている二人。
だるそうに座っている聖羅の後ろには爽吾君が立っていて、聖羅の髪に触れていた。
ここからでは何をしているのかハッキリと見えないけれど多分、聖羅の髪をアレンジしているのだろう。
私は髪が長いから簡単にクリップでまとめているけれど、聖羅は何もしていなかったし。
オシャレな爽吾君なら、予備のピンくらいたくさん持っているはずだ。
それはどちらから始めたことなのか私にはわかるはずもないけれど、その姿はとても自然に、私の目には映っていた。