ダチュラな私。
イントネーション
海に行った日から約二週間。
これからが夏本番だというのに私達は揃いも揃って、焼けた肌の色がすっかりいつも通りの肌の色に戻ってしまっていた。
まあそれは爽吾君を除く、インドア派な私達三人のせいなのだろうけれど。
今日だってプールに行こうかと話していたのに結局、聖羅の家で映画を観ることになっているし。
本当にアウトドア派の爽吾君には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「それにしても……
一成が遅れるなんて珍しいな」
聖羅のベッドに寝転がりながらぬいぐるみを抱きまくら代わりにしていた爽吾君が、携帯をポチポチと操作しながら誰に言うわけでもなく言葉を落とした。
壁掛け時計に視線を向けると、現在の時刻は午後二時を少し過ぎたところ。
今日は一時集合にしていたから、確かに一時間以上の大遅刻だ。