ダチュラな私。

もし遅れているのが遅刻常習犯の聖羅なら、またか、で済むのだけれど。

一成はとにかく時間にうるさい。

そんな一成が一時間以上も遅刻して、連絡の一本もなければさすがに心配になってくる。


もしかして事故に遭ってしまったとか?

ネガティブなことを口に出さないだけで、全員が考え始めてしまったとき。

ノーマルな玄関のチャイムの音が、二階まで聞こえてきた。


待ち侘びていた音に私達は全員反応する。

爽吾君なんてさっきまで落ち着かない様子で寝転がっていたのに、飛び起きていた。

「あっ、一成かな?ちょっと待っててね」

聖羅も聖羅でいつもは面倒臭そうにダラダラと行くのに、今日はとても素早い動きで部屋を飛び出していく。


本当に二人はわかりやす過ぎる。

私は聖羅が飛び出していったドアを見つめながら、一人で笑ってしまった。
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