ダチュラな私。
ドアから目を離して部屋の中に向けると。
ベッドに座っている爽吾君が、なぜか私のことをじーっと見つめていた。
爽吾君は、かっこいい。
いつも聖羅や一成にからかわれているから、忘れがちなのだけれど。
こうしてじっと見つめられてしまうと、少しだけドキドキしてしまう。
だけど……
「爽吾君?どうかしたの?」
そのかっこ良さもぬいぐるみを抱いているせいで、半減してしまっていた。
多分、本人は気付いていないのだろうけれど爽吾君は本当に天然だ。
まあでも天然だからこそ、私は構えることなく爽吾君と話せるし遊べる。
それに私は天然な爽吾君が好きだ。
「花ちゃんさ。
一成のこと、どう思ってんの?」
たまにこんな風に天然故の、ドストレートな質問をしてくるところは苦手だけど。
私は返答に困ってしまい、曖昧な笑みを爽吾君に向けてみた。