ダチュラな私。

年齢は多分、私と同じくらい。

身長は一成と爽吾君の間くらいで、体型も太っているわけでもなく痩せすぎでもない。

これだけならばこれといった特徴もないただの人、といった感じなのだけれど。


フワフワとした白に近い金色の髪。

全身のいたる所に着けられたアクセサリー。

なによりショッキングピンクのTシャツと色鮮やかにペインティングされたデニムが、この男の子を特異な人物に仕立てていた。


「虎(トラ)!!」

「おっ、爽吾。久しぶりやなあ」

この男の子は一体、誰?

私がその疑問を口にする前に、後ろから嬉しそうな爽吾君の声が飛んできた。


虎、と呼ばれた男の子も顔を綻ばせて爽吾君にヒラヒラと手をふっている。

ポカンとその様子を見守っていると、男の子の後ろから聖羅と一成が顔を覗かせた。
< 164 / 342 >

この作品をシェア

pagetop