ダチュラな私。
「遅れて悪かったな。あいつ、俺の従兄弟」
後ろから顔を出した一成は男の子を押し退けながら部屋に入って来て、私の隣に座る。
聖羅はなぜか部屋に入らず、ドアのところで男の子となにか話していた。
「あっ、そうなんだ」
なぜ一成の従兄弟がここに来ているのかが、私は知りたいのだけれど。
途中でなんだか面倒臭くなってきたので適当な返事をしたあと、もう一度、視線をドアの前に立っている男の子へと戻した。
聖羅との会話を聞いているとやっぱりイントネーションが私達とは違う。
関西出身なのかな、なんて考えていると聖羅から視線を逸らした男の子と、ばっちり目が合ってしまった。
「こんにちは」
「あっ、こんにちは」
すると男の子はやっと部屋の中に入ってきて、そう言いながら私の前にしゃがみ込んだ。