ダチュラな私。

目の前にある男の子の顔立ちは、あまり一成には似ていなかった。

一成は涼やかな顔立ちをしているけれど、男の子……虎はハッキリとした南国系の顔立ちをしている。

ただ、瞳の色は一成とよく似ていて真っ黒のとても綺麗な瞳をしていた。


虎はその真っ黒な瞳で、まるでなにか見透かそうとするように私を見つめてくる。

もしかして虎はそんなつもりはないのかも知れないけれど、一成によく似たその瞳は心臓に悪い。


「あの……」

「うーん。可愛いけど聖羅に比べると普通って感じやな。雰囲気で可愛く見せてるタイプか。でも自分モテるやろ?なんかほっとかれへん空気出してるもんなあ」


それは、まさにマシンガントークだった。

私の声を無視して褒めているのか、けなしているのか、微妙なことを一気に話した虎。

あまりの勢いに私はもちろん、虎を除くこの部屋にいる全員が呆気にとられていた。
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