ダチュラな私。

一成も意外ときちんと虎の相手をしているし、いつもより口数が多いような気もする。

好き嫌いがはっきりしている一成がここに連れて来た時点で、仲が良いことはなんとなくわかっていたけれど。

なんというか、ここまで仲が良いとは思っていなかった。


だってこの二人、髪の色や顔立ち、洋服のセンスに性格まで見事に正反対だし。

唯一似ているのは瞳の色くらいだ。

なんでこんなに仲が良いんだろう?


「そういえば気になっとったんやけど、このぬいぐるみって聖羅のなん?」

小さな疑問について考えていると。

プリンを食べて満足したのか部屋の中をキョロキョロと見回している虎が視界に入った。


虎は部屋のあちこちに置かれているぬいぐるみを指差している。

なんでそれを聞くのかな、なんて思いながら聖羅をチラリと見てみると、その表情はほんのりと赤くなっていた。
< 171 / 342 >

この作品をシェア

pagetop