ダチュラな私。

この部屋にはキャラクター物から本格的なテディベアまで、とにかくぬいぐるみと分類されるものならばなんでもある。

ついでに言ってしまえば部屋にある家具は全て真っ白だし、ベッドカバーやカーテンはピンク系でまとめている。

わかりやすく言うならば、とても乙女チックな部屋なのだ。


「そうだけど。それがなにか?」

顔を真っ赤にした聖羅が虎を睨む。

この部屋は聖羅の趣味を反映している。

聖羅はサバサバとした性格をしているし、メイクも服装も大人っぽいものが好きなのだけれど。

ぬいぐるみと可愛いものも大好きなのだ。


だけど聖羅は自分にはぬいぐるみとか可愛いものが似合わないと思っているらしく、それを必死に隠している。

聖羅いわく“こんな少女趣味な部屋を見られたら友達が減る”らしい。

ゆえに聖羅の部屋のことを知っているのは、爽吾君と私だけだったのだ。
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