ダチュラな私。

この部屋は聖羅にとって唯一趣味を満喫出来ると同時に、トップシークレット。

今日ここに一成を呼ぶことだって私はよく知らないけれど、聖羅と爽吾君の間で一悶着あったらしい。


一成はこういう性格だからか、それともあまり興味がないのか何も言わずにいたけれど。

「いや、見た目は派手やのに趣味は可愛いらしいんやなあと思って」

やっぱり虎は言ってしまう性格みたいだ。


聖羅の顔が余計に赤くなってしまった。

虎はそんな聖羅に目もくれず、自分の近くにあったぬいぐるみを引き寄せて触っている。


「だけどまあそういうとこが……」

「悪かったわね。どうせ似合わないわよ」


何かを言いかけた虎。

だけど聖羅はその途中で赤い顔をしたまま投げやりにそう言うと。

枕を抱っこしてそっぽを向いて、拗ね始めてしまった。
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