ダチュラな私。

「確かに聖羅にぬいぐるみとこの部屋は、似合わねえよな」

聖羅の隣に座る爽吾君が困ったように笑いながら、聖羅の頭をポンポンと叩く。

子供をあやすようなその行動に聖羅は小さな声で、うるさい、と反抗した。

だけど手を払い落とすことはしないのだから、嫌ではないんだろう。


「聖羅、なんか勘違いしてるやろ?」

いつまでも顔を上げない聖羅に苦笑していると、虎が困ったような声を出した。

そういえば虎、さっきなにか言いかけていたけどそのことかな。

体を前に倒して一成越しに虎を見ると、その視線は真っ直ぐに聖羅に向けられていた。

虎の視線を追うとさっきまで拗ねていた聖羅も同じように虎を見つめている。


「俺はからかってるわけとちゃうんやで?
なんか可愛いなあと思ってんけど」

そして部屋の中に妙な静寂が漂うなか、虎は照れもせずに聖羅だけを見ながらはっきりとそう告げた。
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