ダチュラな私。

照れずにそう言った虎とは対照的に、聖羅の顔は真っ赤になってしまった。


綺麗な顔立ちをしている聖羅にとって、容姿を褒める言葉は聞き慣れたものだろう。

だけど、だからこそ、内面を褒められることは極端に少ないはずだ。

とくにハッキリとした性格をしている聖羅は、内面を可愛いと言われたことなんて初めてなのかもしれない。


「聖羅、どうせぬいぐるみ好きなん隠してるんやろ?俺、そういうのんってすごい可愛いと思うで」

そんな聖羅にさらに追い打ちをかける虎。

聖羅は顔を真っ赤にしたまま、また俯いてしまったけれど。

今度は拗ねているわけではなく、純粋に恥ずかしいだけだということが伝わってきた。


ふと、虎に目を向けると、虎はとても優しい瞳で聖羅を静かに見つめている。

その優しい瞳を見て、私は一成と虎が仲が良い理由がわかったような気がした。
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