ダチュラな私。

赤色と金色



ただ喋っているだけでも時間は進んでいき、気が付けば五時前になっていた。

最近は帰りが遅くなることが多かったので今日は早く帰ろうと立ち上がると、なぜか一成と虎も帰ると立ち上がった。


なので今日は聖羅の家に泊まるらしい爽吾君を残して家を出たわけなんだけど。

「じゃあ私、電車だから。またね」

「ちょっと待てよ。送ってくから」

「一成、花送って行くん?
じゃあ俺も行くわ!」

どうやら一成は私を送ってくれるつもりで一緒に家を出たらしい。


「ありがとう。でも大丈夫だから」

気持ちは本当に嬉しい。

だけど私を送るためだけに、わざわざ電車に乗るのもなんだか変だと思う。

それにまだ明るいし、送ってもらうほど遅い時間でもない。
< 176 / 342 >

この作品をシェア

pagetop