ダチュラな私。
私が大人しくなると同時に一成の手は離れていった。
「そうかあ。
一成と花は最近仲良くなったんか」
「うん。そうだよ」
そして虎は私に悪いと思っているのか話したいだけなのかどちらかわからないけれど、たくさん話しかけてくれる。
いつもならばこれだけ話しかけられると辟易としてしまうのだけれど、虎の話し方が上手いからかむしろ楽しかった。
最初は違和感を抱いていたイントネーションも、なれてくるととても心地好い。
虎のイントネーションは、テレビでよく聞く関西弁とは少し違っているような気がした。
何と言うか、私が知っている関西弁より少し柔らかい感じがする。
「じゃあ俺とも仲良くなろな」
「うん。よろしくね」
そのド派手な外見からは想像出来ない柔らかなイントネーションと、柔らかい笑顔。
それは接客業をしているから身についたものなのかな、とふと思った。