ダチュラな私。

虎は私達と同い年だけど高校には行かず、レストランでウエイターとしてアルバイトをしているらしい。

中学を卒業してからずっと同じところで働いていて、なんだか夢があるらしいけれど。

どんな夢なのかは、恥ずかしいから、と言って教えてくれなかった。


会話が少し途切れたすきに、虎に気付かれないように軽く後ろを振り返る。

一成は会話に入ってくることもなく、いつの間にか私達の少し後ろを歩いていた。

虎が話をふると返事はしてくれるので、会話は聞いているらしいけれど。

なんとなく、その表情が不機嫌な感じだ。


さっきまでは普通だったのに……私、何かしちゃったのかな。

だけど私に非があって不機嫌ならば、一成ならそう言うだろうし。

言わないということは、それ意外のなにかが原因で不機嫌だということだ。
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