ダチュラな私。
暑さを紛らわすために溜まっていたメールに返信していると、携帯の時刻が待ち合わせの二分前を指した。
そろそろ来るかな?
携帯をカバンに閉まって辺りをキョロキョロと見回したけれど、どこにも彼らしい人物は見当たらない。
早く来てくれないとこのままでは熱中症になりそうだ、なんて考えていると。
ポン、と誰かが私の肩に触れた。
瞬間、暑さを感じなくなった。
体がビクッと跳ねて少し震える。
アイツだったらどうしよう。
そんな考えが頭から消えてくれない。
それでも大丈夫だ、と自分に言い聞かせながら一度深呼吸をしてゆっくりと振り返る。
「今日も可愛いなあ」
するとそこには待ち合わせの相手である虎が、前と同じ柔らかい笑みで立っていた。