ダチュラな私。
そもそも今日遊ぶことになったのは昨日、虎から電話がかかってきたからだ。
今日は一成が店番で遊べないから、私にこの辺りを案内してほしいと。
深く考えずに了承して、呑気にここまで来てしまったけれど。
確かに言われてみれば、男女が二人で遊ぶのだから“デート”になるのかもしれない。
「まあ言っても俺このへん知らんから、エスコート出来へんねんけどなあ」
マスカラのことではなくこれからのことを考えてドキドキしていると、虎が照れ臭そうに笑いながら頭をかく。
その仕草と、地元やったらなあ、と悔しそうに言う姿が可愛くて思わず笑ってしまった。
「そんなことないよ。じゃあいこっか?」
「おお!よろしくなあ」
私が笑っていることも気にせずに、悔しそうな表情が一瞬で笑顔に変わった虎。
ドキドキなんてすっかり消えてしまった私は、虎にリクエストされた場所に向かって歩き始めた。