ダチュラな私。
虎にリクエストされた場所。
それは、駅から歩いて五分ほどのファッションビルだった。
ファッションビルの中には夏休みなので、中高生らしき子がたくさんいる。
人は多いけれど、完璧に調整された空調のおかげで息苦しさは感じない。
汗もすっかり引いていた。
「花、次はあっちの店行ってもええか?」
虎はファッションビルに着くなり、気になる店を見つけては突入していって。
気に入った商品を見付けては一分と迷わずにレジに持っていく。
そしてレジで接しているわずかな時間で店員さんと仲良くなってしまう虎の話術に、私は感動していた。
「うん、いいよ。だけど大阪にもあのお店はあるんじゃないの?」
だけど虎が洋服を買ったお店は全て、関西にも店舗があったような気がする。
気になった私は嬉しそうに店に突入しようとする虎の背中に問い掛けてみた。