ダチュラな私。
「これ、宅急便で送ってもらってくるわ。花はあっちで待っててな」
そう言ってあまり人通りが多くない方向を指差した虎は、近くにあったサービスカウンターまで走っていってしまった。
どうやら最初から荷物は大阪に送ってしまうつもりだったらしい。
確かにあの荷物を一成の家まで持って帰るのは大変だし、大阪まで持って帰るのはもっと大変だろう。
賢明な判断だと思う。
だけど……
「そこまでして、あんなに買う必要ってあるのかな?」
誰にも聞き取られないくらいの小さな声で、私は一人そう呟いた。
しばらくその場でボーッとしていたけれど、若い女の人とぶつかりそうになる。
私はここが通路のど真ん中だということをやっと思い出して、人の流れの邪魔にならないよう、虎に言われた通り端へと移動して。
壁に背中を預けながら、虎がサービスカウンターのお姉さんを困らす様子を、しばらく眺めていた。