ダチュラな私。
最初にそう感じたのは、駅前を一緒に歩いていたとき。
そのときは気のせいかな、と思ったけれどこのビルに入った瞬間に、それは確信へと変わった。
もちろん、派手な外見もその理由ではあるのだろうけれど。
それだけが理由なのならば、じーっと見られたりはしないだろう。
一成はもちろん、聖羅や爽吾君だってかなり目立つほうだけれどここまでではない。
虎がなぜ、こんなにもたくさんの人達を引き付けてしまうのか。
その理由を考えていたとき、私は虎が視線を集めながらも堂々と歩く姿に気が付いた。
一成と聖羅は自分が見られていると本当に嫌そうな顔をするし、爽吾君は見られていることに気付いていない。
だけど、虎は堂々としていた。
それは視線に気付いていないわけではなく、むしろ自分はじろじろと見られて当然なんだと言わんばかりだった。