ダチュラな私。

普通ならばその態度は鼻につく。

けれど虎にはそうしていても許されるなにかがあって、虎もそれに気付いている。

だからこそ虎はどこに行っても畏縮せずに、堂々としていられるのだろう。

カリスマ。

どれだけの視線を浴びても堂々としているその姿には、在り来りだけどそんな単語がピッタリだと思った。


「花!これ買ってくるから待っててな!」

一成を月だとするならば、虎は太陽だな。

なんてことを興味もないポスターを見ながら考えていると、声をかけられる。

振り向くと虎は隣にはおらず、レジに向かって歩いていた。


その足取りはまるで跳ねているように軽やかで、お気に入りの一品を見付けたことは誰の目にも明らかだ。

私はなんだか微笑ましい気持ちになりながら、なんとなく店先に並んだアクセサリーに目をやった。
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