ダチュラな私。
夏休み前のとある木曜日。
バカみたいに暑くてバカみたいにうるさい教室にいることが苦痛になった私は、授業を抜け出して図書室に逃げ込み植物図鑑をめくっていた。
誰もいない静かな図書室には、私がページをめくる音だけが響いている。
それはとても心地好い空間で、いつもは流し読みしてしまう小さな文字で書かれた説明文まですっと頭の中に入ってきた。
どれくらいそうしていたのだろう。
ふと時計を見ると授業終了一〇分前を指していて、図鑑を横から見ると三分の一ほど読み終えていた。
そろそろ教室に戻らなくちゃ。
そう考えながらもページをめくったとき。
そのページには、朝顔に似た可愛らしい花の写真があった。
可愛いらしい花だな。
そんなことを思いながら小さな文字をおっていくうちに、私はだんだんと前屈みになっていく。
そこには、こう書かれていた。