ダチュラな私。
ピアスとキス
「ごめんね?送ってもらっちゃって」
ご飯を食べたあとは虎のリクエストで、駅前の辺りを案内していた。
駅前の辺りなんてファッションビルと飲食店以外なにもないからニ、三〇分で終わると思っていたけれど。
虎があちこち寄り道をしたがるから、気が付けば二時間近く散歩をしてしまった。
途中見付けた公園で私は数年ぶりに、全力で遊んでしまった。
「今日付き合ってもらったんは俺やねんから、送るんは当然やろ」
今のんイケメンっぽい台詞やなあ、なんてヘラヘラと笑いながら、フワフワと揺れる髪を触る虎。
虎はまだ五時にもなっていないのに、今日も送ってくれた。
一人で帰れると何度も行ったけれど。
のらりくらりとかわされて、結局、私が折れることで決着はついた。
どうやら瞳の色だけではなく、頑固さも一成とよく似ているらしい。